1902年(明治35年)1月に日本陸軍第8師団の歩兵第5連隊が八甲田山で冬季訓練中に遭難した八甲田雪中行軍遭難事件を、資料をもとに真実の姿を明らかにした一冊。参考文献は50を超える。
小説や映画が作り出した創作のいっさいを排除した本書は、いままで知り得なかった様々な事実を浮かび上がらせる。
目次より
- 第一章 風雲
開戦前夜/悲報伝わる/二つの雪中行軍隊/目的地は田代/予行行軍の"成果"/行軍命令下る/「目的地ニ達シ得ルモノト信ズ」
- 第二章 行軍
雪の八甲田へ/退却はせず/山の神の日/橇を棄てる/露営を決す/「実ニ想像ノ外ニアリ」/払暁前の出発/迷走/湖畔の宿/吼える犬吠峠/「危険隊万歳」/大隊長倒れる/「憾ヲ遺シテ進路ニ就ケリ」/「各自の任意に従ふ」/「之レヲ棄ツルニ至リヌ」/二隊に分れる/最期の命令
- 第三章 捜索
連隊の心配/救援隊派遣さる/生存者発見/「大尉は未だ全く死に至らず」や/連隊騒然たり/「天ニ勝ツ」作戦/還ってきた行軍隊/無謀にあらずと/立見師団長の談話/二隊の遭遇ありや/「惨ノ惨、酷ノ酷」/悲しみの再会/炭小屋に人の気配/不死身の大隊長/倉石大尉の遭難談/「万歳ヲ唱ヘテ之ヲ送ル」/「真に美談と謂ふべし」/凱旋/応接丁重を極む/大隊長の生死報道/病気見舞いの不思議/短銃自殺ありや/勅使差遣/再び生存者発見/長谷川特務曹長の遭難談/行軍隊の末路/遭難彙報/責任論の行方/捜索難航/猟犬の手柄/屯営の怪/銃と背嚢は焼かず/美談の真相/全国の評論(一)/全国の評論(二)/投書「軍隊凍死事件に就て」/「続行スルヲ要ス」/熱誠弁開凧次郎/田茂木野村民の尽力/生死を分けたもの/「待罪」/鈴木少尉の葬儀/遺漏なきを期す/捜索完了
- 第四章 真相
弔魂祭挙行せらる/二九年目の証言/遭遇なしという謎/口演「歩兵第五聯隊雪中行軍遭難に就て」/それでも銃は焼かず/昭和の雪中行軍/遭難六〇周年の慰霊祭/新事実判明/語り継ぐ歴史
- あとがき
- 参考文献





